日々のプログラム意識障害者に対する感覚刺激を用いての援助以下の内容は、ある文献の要約です。無断で転用されることなく、また何かの理由で使用される場合は著作権の問題等に十分に配慮されるようにお願いします。また要約は研究対象とした症例の結果であるので、これが全ての場合に当てはまるとは限りません。ケースによっては逆の場合の可能性もあります。 【文献名】 遷延性意識障害患者の感覚刺激による意識回復の援助 -日課表に基づいてアプローチを試みた事例- 【はじめに】 紙屋は『意識障害者を人間として認めうるためには残された能力を効果的に引き出し、生への積極的な反応、つまり人間らしい生活ができるように援助しなければならない。』と述べている。著者は意識レベル改善を目的に、運動刺激を主に他の感覚刺激を組み入れた日課表を作成し援助を行った。対象者は無動無言状態で4年を経過した脳梗塞後遺症者であった。 【刺激方法】 1 視覚 ・ 視線を目の高さにする ・ 眼前での物体、人の移動 ・ 手を握る、車椅子散歩 ・ 病棟行事の参加、ラジオ体操の参加 2 聴覚 ・ 耳元で言葉かけ、名前を呼ぶ ・ テレビ、ラジオ、音楽を流す ・ ラジオ体操の参加 3 味覚 ・ 棒つき飴、氷片、舌刺激 4 触覚 ・ アイスマッサージ、足浴 ・ 入浴、全身清拭 5 運動覚 ・ ROM、半座位、背面坐位、荷重解除 ・ 上肢開放、足底接地、坐位、腹臥位 ・ ゆさぶり運動 【日課表】 6:00 起床(カーテン・窓を開ける) モーニング・ケア 8:00 経管栄養(ギャッジアップ60度) 10:00 処置・清潔ケア 腹臥位・端坐位練習 12:00 音楽・ラジオ刺激 休息 14:00 車椅子乗車、院内散歩 テレビ刺激 15:00 ラジオ体操参加 看護婦室にて過ごす アイスマッサージ、口腔内刺激 16:00 車椅子下車(ベッドへ) 経管栄養 (ギャッジアップ又は調子の良い時は車椅子上で) 18:00 音楽・ラジオ体操 21:00 消灯(カーテンを閉める) 【著者】 五百崎佳津子、他 【文献】 第29回 老人看護 1998年 【私の感想】 一日の生活の中で定期的に時間を決めて、生活刺激を考えることは大切かと思います。病院や施設ではスタッフの協力が必要不可欠ではありますが、簡単な日課表を1週間単位で作り、目のつきやすい場所に置いとくと少しメリハリがつくかと思います。一日のスケジュールは看護師さんがどのようなケアを、どの時間帯でされているかをお聞きするといいでしょう。私たちもやはり、時間通りに行動しているかと思います。 |